低賃金が問題になっている介護労働者の待遇を改善させるため、政府・与党は30日、来年4月に介護報酬を3%引き上げることを決定した。00年度に介護保険制度が始まって以来、プラス改定は初めて。改定率は通常、年末の予算編成の過程で決まるが、今回はこの日公表された追加経済対策に、介護労働者の処遇改善が盛り込まれたため、1カ月前倒しされることとなった。
介護報酬は、介護事業者に支払われるサービスの公定価格で、3年に1度改定される。これまでの改定は03年にマイナス2.3%、06年にマイナス2.4%といずれも引き下げだった。
しかしマイナス改定に伴い、介護報酬が原資となる介護労働者の賃金は低迷。介護現場からの離職が進み、人材不足が深刻化している。こうした状況を背景に、今回は処遇改善のため報酬アップが不可避となっていた。また、前倒し決定が、来春の就職や進路決定で介護分野を考えている若い人たちに対し、アピール効果を発揮すると期待する向きもある。
一方、報酬引き上げは保険料の増加に直結する。政府は急激な保険料負担増を緩和するため、国費1200億円を充てる方針。保険料は市町村ごとに異なるが、この3%引き上げに伴う保険料増加分は、国が一律で費用の半分を肩代わりする。
ただ、報酬アップ分を、賃金に充てるかどうかは事業所の判断だ。このため、確実に報酬アップを待遇改善に結びつける仕組み作りが、今後の課題となる。
今回の改定率決定を踏まえ、厚生労働省は来年1月をめどに個別のサービス単価を決める予定だ。
asahi.com 2008年10月30日